「士、別れて三日なれば刮目して相待すべし」とは、中国は三国時代の故事成語です。呉国の武将呂蒙は貧しさゆえに学がなく、バカにされていたのですが、ある時一念発起し学問に励みます。しばらくして彼に会うと見違えるほどに博学になっていたという話。人間は急に変わることがあるという例えです。
私はこの時期になるとこの言葉を思い出します。というのも皐月賞というのは、このレースを境に急に馬が変わって一躍スターダムにのし上がる馬が多いからです。
ドゥラメンテ、メイショウサムソン、テイエムオペラオー、オルフェーヴル、ゴールドシップ、、。いずれも戦前は一番人気ではありません。あまり期待されていなかった馬がびっくりするような強い勝ち方をするケースが多い。
特にドゥラメンテ、オルフェーヴルに関しては、走法からして変わり、別馬のように強い競馬になりました。恐らく、付くべきところに筋肉がつき、体をうまく使えるようになったのではないでしょうか。この時期というのはサラブレッドの急成長期なのかもしれません。
そんな急成長した馬はいないかと追切をみて探しました。すると、マイネルファンロンに変わってきた兆しがあった。時計自体は派手さはないものの、トビが大きくなった。直線半ばで追われると脚が綺麗に上がるようになった。
見てみれば血統もステイゴールド産駒と成長力を感じさせる。偉大な先輩オルフェーヴルやゴールドシップのようにまさかの変わり身を見せるのではないかと、穴馬の匂いがプンプンとしてきました。