ジャパンカップ後、キタサンブラックの敗因は前脚の落鉄と報じられたが、その後さまざまな人が映像検証した結果、どうやらレース中には落鉄していなかったということが判明してきた。よって競走への影響はなかったということになり、あのジャパンカップの走りがキタサンブラックの現状の力ということになろう。
ということはキタサンブラックの力は衰えてきているのだろうか。キタサンブラックが刻んだラップタイムから、競馬をやって何が悪い管理人のカタストロフィ氏に徹底分析してもらった。
2:23.7 60.2-59.1 S^1
13.0 - 11.2 - 12.1 - 12.1 - 11.8 - 12.1 - 12.3 - 12.2 - 11.8 - 11.3 - 11.8 - 12.0
全体のペースはそこそこ速かったが、それでも一応ややスローで前3頭はまとめている。それと、土曜の馬場で想定していたが、日曜は土曜から比べると明確に1~2段ぐらい時計が掛かっていた(ウェルカムSは明確にスローであまり速いラップを踏めなかった)。その中である程度淡々と流れた中でL3最速戦と仕掛けのタイミングが早かった。昨年と違うのは前後半のバランスで前半が割と速かったし、その割に仕掛けが早かったというところ。昨年よりは軽い馬場だったと思うが、それでもやや高速ぐらいだったと思うしこれだけ淡々と運んでいたので2:23.7と好時計を叩きだせたと思う。結構シンプルな競馬だったかな。
3着キタサンブラック
4番枠から汚名返上の好発を切ってスッとハナを主張しきる。ディサイファ辺りが突いてくるがそれはあまり気にせず最初からあまりスローに落とし過ぎないような意識で乗っている感じ。2角過ぎでも馬なりで抑える感じでもなく馬の気持でペースを作っていく感じ、ペースも60.2と昨年よりは速い。3~4角でディサイファ辺りがしんどくなっている中で楽な手ごたえで直線に入ってくる。序盤でそこから馬場の良い中目に誘導しながらL2の地点でしんどくなって追い出す。ここで昨年ほどの踏ん張りができずに減速、L1では甘くなって3着も4着以下は圧倒した。
う~ん...色々と思うところはあるけど、噛み合い切らなかったなという感じで必ずしも何かが悪いって考えるのは良くないかもしれない。全体の映像を見た時にいつもより積極的、コントロールせずに馬の気持に任せて行っていた感じで、実際1000通過も60.2と絶妙ともいえるが少し速いなとも感じた。ただ、この馬も時計的にそう差のないところにいるので結果的に見てスローバランスではまとめている。前半のレースメイクに関しては昨年は完璧だったが今年はまずまず、という感じ。仕掛けどころは少し早かったと思う。キタサンの場合促す必要が無いというか、あまり大きなアクションが無くても加速していけている感じなので、実際L2で追い出されているがここでは減速基調に入っていた。
豊のケースの場合派手なアクションがあるときは加速している時ではなく減速しているときが多いので、L2の感じで少し嫌だなとは思ったがやっぱり昨年と比べて減速が早かった。ペース自体は悪くないとしても、仕掛けどころが昨年とほぼ同じなので前後半でのバランスとして噛み合い切らなかったのはその辺りに原因があるとは思う。
昨年が100だとすると85ぐらいでの全体のバランスでやれているんだが、相手が完璧に噛み合い切ったシュヴァルグランと考えると仕方がないのかなと。反動というほどのものは個人的には無かったんじゃないかなあと。
4着以下とのパフォーマンスで考えれば昨年レベルに近いところでやれていると思う。結局細かいバランスとシュヴァルグランが完璧、レイデオロが想像以上に強かったと考えれば、キタサンの能力は出せていると思う。結局ある程度引っ張っているのであればもうちょっと仕掛けを補正しないといけなかったかな、というのが感想になるかな。
L2での減速が早かったのが全てだと思うし、L3では昨年同様いい脚を使えているので状態が悪かったとは思わないんだよなあ。むしろ逆にこれが反動でない、走り切っているのであれば有馬への反動の方が怖い気がするね。今回の敗因はペースと仕掛けのバランスが微妙に食い違ったこと、他が良かったというところだと思っている。いつも勝てってのは難しいからね。
ギニョールも行く気が無かったってのは誤算だったかもしれん。パトロールを見ても最序盤ギニョールに行かせるだけのスペースは与えていて、ギニョールがこちらの直後を取ったので1角までに行き切る形を選択したんじゃないかな。Bプランっぽい逃げ方で、逃げるなら今回はある程度引っ張ってという感じだった気がする。





