高松宮記念(GI)2012:カレンチャンの前走をどう見るか!

 さて、最初に、やはりやってしまいました。注目馬に挙げた三冠馬オルフェーヴルが暴走してまさかの2着。これで注目馬診断に挙げた3頭が3連敗を喫してしまいました。テイエムオオタカはともかく、圧倒的1番人気だったジョワドヴィーヴルとオルフェーヴルを負かしてしまったのは自分でも怖い...。逆神とか言われないように頑張ります。

 今週は高松宮記念。フェブラリーSがあったとはいえ、やはり春のGI戦線の開幕を告げるのは高松宮記念でしょう。CMには私が愛するキングヘイローが登場。嫌が上にも盛り上がる(あ、自分だけですかね)電撃スプリント戦、その主役だった馬は昨年のスプリント女王カレンチャンをレースから診断してみましょう。

 

 北海道で勢いに乗ったカレンチャン。函館スプリントSでは勝ちパターンのテイエムオオタカを寸前でしっかり捕える鋭い切れ味。

 

11.8 - 10.4 - 10.9 - 11.5 - 11.4 - 12.0

 

 馬群の中で、勝負どころの3コーナーでもまだ進路が確保できない状況でした。4コーナーで外目に持ち出すロスがあり、内を立ち回った2頭が抜け出しを図る中、直線までに差を広げられてしまったが、そこからの切れ味の持続力が凄かった。普通なら3着に終わってしまうであろう競馬でも、L1にしっかり伸びて前2頭を捕えた能力は相当なものでしょう。また、函館の洋芝のハイペースでもスピードに乗ってからは抑えるぐらいのスピード。この時点で、評価しないといけなかったのかなと思います。

 

続いて重賞3連勝目となったキーンランドC。結果的にはハイレベル戦だったのですが、当時の時点ではまだそこまでわかりませんでしたね。

 

 

  11.8 - 10.3 - 10.9 - 11.5 - 11.8 - 12.3

 

 かなりのハイペースだったのだが、難なく前目に取り付ける。だが先行争い自体が決まらずに雁行状態となってしまって、その外目を終始回されるというかなり苦しい競馬を強いられていました。正直、改めてこのレースを見るとカレンチャンの強さが際立ったレースなんだなと再認識できるレースです。4角で前が潰れて目標になりながらも、強豪ビービーガルダンを退ける競馬は、やはり後にGIを勝つだけの馬なのだなと。前半3Fが33.1という洋芝の札幌では相当に速い流れで前を潰して押し切る。良質なスピードの持続力はとんでもないものをもっています。

 

 そして、GI勝ちを収めたスプリンターズSの内容。外からロケットマンを閉じ込めたエーシンヴァーゴウを更に並ぶ間もなく差し切る競馬。

 

 12.0 - 10.2 - 10.8 - 11.2 - 11.5 - 11.7

 

 前半3F33.0とペースは早いことは早いのですが、キーンランドCと比べると時計的バランスではそこまでタフな競馬ではない、軽いスピードが問われる競馬となっています。その中で、敢えて中団から押し上げていくような競馬をしていますね。エーシンヴァーゴウを目標に外から押し上げていくと、最後は追われて突き抜ける圧巻競馬。もちろん北海道の2戦は相当高いレベルのものでしたが、パフォーマンスという点を考えるならば、切れ味を引き出せたこの競馬が最も安定しそうですね。

 

 さて、ここまでは勝利のシーンを分析してみたわけですが、ここからは敗戦となった2戦の分析を。まずはハイレベル戦確定、日本馬が挑んでも挑んでも善戦すら難しい香港スプリントの5着から。

 

 実は、カレンチャンの敗因は4角で進路を失ったからだと思っています。4角で被されたのは恐らく前が少し減速して前にスペースがなくなったのと、それと同時に空けていた外に捲り気味に上がってきた馬がいて進路がなくなってしまいブレーキをかけざるを得なかったというのが本当のところかなと。これによって、勢いを付けられないうちに、出し抜かれてしまったということでしょう。わかりやすく言えば、2011スプリンターズに出たロケットマンに近い競馬を強いられたと言っていいと思います。

 

 個人的な意見と前置きしたうえで、恐らく香港スプリントに日本が参戦した歴代の中でも、一番勝つ可能性が高かった馬だと思っています。3~4角でスムーズに(もっと言えばもう少し後ろから徐々に押し上げるような競馬が出来ていれば)捌けていたら、もう少しきわどかったのでは?あそこで出し抜かれていなければ、終いはばてていなかっただけに、好勝負出来ていた可能性は否定できないと思います。この香港スプリント5着というのは、全く評価を落とす必要はないでしょう。

 

 そして、最後に直近のオーシャンS。道悪、重馬場での競馬となりました。まずは見てみましょう。

 

  11.9 - 10.4 - 11.1 - 11.4 - 11.6 - 12.8

 

 L1が12.8とかなり落とす競馬となっています。L1が大きく落ちるレースというのは、単純に残り200mで皆ばててしまっているということを表しています。つまり、分析の上では最後の1Fはさして重要ではなく、やはり速いラップを刻んでいるところでどういう競馬をしているかでしょう。

 

 カレンチャンの場合は、外枠から3~4角で押し上げていく強気の競馬でしたが、いつもの手応えがなく、正直その時点では惨敗もあるかなと思いましたが、最後はしぶとく伸びて圏内に加わってきました。56kgという斤量、休み明け、海外遠征明けと、敗因と挙げられるものは数多くありますが、個人的にはレースぶりにも大きなロスがあったと感じています。結果的に道悪で内有利にシフトしていた芝の状態も考えると、ラップの速いところで終始外目を押し上げる競馬をしながら崩れないという点にカレンチャンの真の強さを認識したと言ったところですね。

 

 さて、勝ったところ、負けたところを総合的に見て

「スピード持続力と切れ味、重い馬場をこなせるパワーを兼ね揃えた名スプリンター」

と位置づけました。カレンチャンは本物の名スプリンターだと思います。今回、連敗で評価を少し落としている印象ですが、この注目馬診断では太鼓判を押したいと思います。新中京競馬場で行われる初の高松宮記念の舞台で、一番最初にゴール板を通り過ぎてくれる、そしてこの注目馬診断開始後初の1着馬になってくれることを期待して拙文を終えたいと思います。頑張れカレンチャン。


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