大阪杯(GII)2012:フェデラリストの連勝はどこまで続く?

 ようやく、ようやく、ここ注目馬診断で取り扱った馬が勝利を収めてくれました。カレンチャン、しっかり太鼓判を押した馬の勝利ということで、喜びも2倍ですね。プライベートでは、追い切りが微妙だなあと思って印を一つ下げてマジンプロスパーを本命にしてしまう大失態を犯してしまいましたが、今週も注目馬をしっかりと診断していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

 さて、今週は宮記念、桜花賞というGIウィークに挟まれた谷間の週。大阪杯とダービー卿CTという古馬戦線の重賞が2つ。その中から、やはり古馬王道路線を占う重要な一戦である大阪杯に登録している、現在4連勝中のフェデラリストに注目してみたいと思います。

 

 フェデラリストと言えば、4連勝中の3勝が実に中山でのものということで、なんとなく中山巧者なのかなあという印象はありますね。地方から中央再入後の芝は7戦5勝着外2つ。2敗は共に札幌競馬場ということで、これも何となく洋芝が苦手なのかなという印象で片付けていましたが、実際どうなんだろうということで、分析したいと思います。

 

 まず支笏湖特別。1000万下のハンデ戦で55kgを背負っての4着で、この馬のその後を考えると、なんとも残念な結果であるといえます。芝2600m良馬場でした。4枠4番の馬にご注目。

 

13.0 - 11.7 - 11.7 - 12.3 - 12.3 - 12.7 - 13.1 - 12.9 - 12.7 - 12.4 - 11.8 - 11.7 - 12.5

 ややスローから3F勝負、L1少し落とすレースになっています。好スタートから意識的に下げて中団からの競馬。3角で外に出してから仕掛けると、外目を回してじわじわと押し上げていきます。直線でもじわじわとしか伸びませんが、最後までしぶとかった。印象としては少し外を回し過ぎで、札幌のようにコーナーが緩いコースでは単純にロスが大きかったと言えますね。それと同時に、札幌のように緩いコーナーで誰もがそれなりにスムーズに速い脚を使えるところでは際立った末脚は見られませんでしたね。もちろん洋芝という条件も考慮に入れないといけませんが。

 

次にもう一つの敗戦、次走のマレーシアCを分析。1000万下の札幌芝2000mでヤヤオモの条件でした。6枠7番の馬にご注目。

 

 12.4 - 11.1 - 12.3 - 13.2 - 12.9 - 13.2 - 12.5 - 12.0 - 11.8 - 12.0

 これもスローからの3F勝負。こちらはL1をあまり落としていません。ここもまずまずのスタートからすっと下げて後方からの競馬になります。後方の外で競馬を進めるのですが、ペースが遅いのでL5の13.2の地点で四位騎手の手が少し動いています。ただ、それでもあまり反応が良くなくて3角で仕掛けだすと、ようやくスピードに乗って外から先頭集団に並びかけていきます。しかし、そこで力尽きてしまい、最後は伸びを見せずにだらだらと脚を使ったという程度で終わっています。12.0-11.8の地点で外から押し上げて、L1の12.0で脚色を鈍らせているので、この時点でそこまで長く切れ味を持続できているとは言えません。

 

 今となっては、この負け方は非常に解せないものであり、この原因が洋芝によるものなのか、その時の体調が良くなかったのか、本当にここ数走で劇的に変わったのか...いずれにせよ、この北海道2戦の敗戦の中にこの馬の秘密が隠されているのではと思っております。

 

 さて、次は勝ったレースの中から、敢えて府中の東京ウェルカムプレミアムを抜粋。理由としては、中山の重賞2勝はインパクトも強く、皆さんそれなりに回顧されていると思われますし、中山と相反する東京でのパフォーマンスから適性を判断するのもまた一興ではなかろうかと。ただ、ウェルカムPのyoutube動画がありませんでしたので、動画は割愛させていただきます。JRAのHPかyoutubeで是非ご覧ください。

 13.1 - 11.8 - 11.8 - 12.2 - 12.4 - 12.1 - 11.8 - 11.2 - 11.6 - 11.5

 前半3Fは超スローの部類なんですが、実は大きな緩みはないレースなんですよね。そしてL5から加速戦、L3最速、L1でばてないラップになっています。これが実はポイントで、前半スローで中盤から加速していく流れというのは中山1800mに近いラップと言えます(L3最速は流石に余計だけど)この切れ味持続戦で突き抜けているわけなので、相当強烈ですよね。ラップ分析はこのぐらいにしておいて、レースぶりを改めて見てみると...

 

 少し立ち遅れたぐらいだが、押していくと先行集団の直後ぐらいにスッと取りつく脚を見せる(これはペースが遅かったのもある)。道中は中団の内、上手く前にスペースを作って楽に追走している印象。3~4角で加速していく流れの中で上手く内を追走して脚を溜めて直線。最速地点で3番手ぐらいまで楽な手ごたえで押し上げると、L2からは突き放す一方の圧巻の競馬。

 

 個人的には、これはある程度嵌ったのもあると思っています。理由としては、まずL3最速戦のタフな流れになったこと、そして瞬発力を問われない徐々に加速する流れになったこと。そして、最速地点で内を回すことが出来たこと。これだけ揃ったので、強烈なパフォーマンスを示せたのではないかと思っています。なので、このレースだけ見て東京で凄い切れ味を発揮できると考えるのは少々安易かなという気がしますね。

 

 金杯や中山記念で見せたように、この馬の持ち味は「切れ味の持続力とコーナリングの巧さ」であると思っています。トップギアではなく、4速を持続させる能力に秀でていて、コーナーのきついところでもスムーズに走れる馬という感じですね。中山金杯でも最内をピタッと回って押し上げてきていますしね。なので、札幌のように緩いコーナーでは捲り切れずに必要以上に脚を使ってしまって持ち味の持続力が活かせない印象です。洋芝が苦手かどうかはまだはっきりしませんが、札幌よりはるかにコーナーがキツイ函館を使ってくれば真偽が分かりそうですね。この時期の重い中山の重馬場で凄い脚を使えているし、単に重い洋芝がダメと決めつけるのもこれまた早計な気はします。

 

 最後にまとめると、この馬の武器は上記のとおり、今のところ弱点というか、未知数なところは瞬発力があるかないか、究極の切れ味勝負に対応できるかどうか。スピードに乗ってからそれを持続させる能力は本当に凄いものがありますが、緩いペースから急な加速を求められるケースで力を出せるかどうかがこの馬の今後を大きく左右させるポイントですね。

 

 そして大阪杯はタフな4F勝負になりやすいコース。外から押し上げていきやすいコースでもあり、コーナリングが巧い馬なら内で脚を溜めることもできるコース。この馬の持ち味は存分に活かせる舞台でしょう。ここは相手も一気に強化された印象ですが、この馬が勝った中山記念もレースレベルに全く疑問はありませんし、力をしっかり出せば好勝負可能でしょう。この馬の勢い、侮りがたし。


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