オークス(GI)2012回顧:ジェンティルドンナもんだい3番人気あざ笑う圧勝

12.6 - 10.9 - 11.6 - 12.0 - 12.0 - 11.9 - 12.4 - 12.3 - 12.2 - 12.1 - 11.8 - 11.8

 

 向こう正面で少し緩んでいるが、全体的には平均ペース。ただ、後半1Fは実質ジェンティルドンナが千切ったものなので、実際はややハイペースだったかなという程度。それよりも道中大きく緩まなかったという点で、今までのようなオークスの傾向とは異質の全く違う競馬になってしまっていた。これで千切ったジェンティルドンナは本格派だと言って良いでしょう。

 

 1着ジェンティルドンナは五分のスタートから中団よりやや後方の外目で競馬。道中外目で全く馬群の中に入れることなく外を追走。折り合いも不安なく、ちょうどミッドサマーフェアを見るような形で向こう正面を進める。3角手前で少し緩んだか、馬群が凝縮してきた。3角で外目追走、4角で大外を回して後方集団で直線。序盤で大外に持ち出して、追われると、L2でグングンと伸びて一気に先頭。L1でそのまま突き抜けてぶっちぎっての圧勝。個人的に不安視していた緩んでからすっとトップスピードに持っていけるかどうかという点は全く関係ないレースになってしまった。緩めずにある程度のギアで走っていて、直線に持ち出して4速から5速に入れるだけの競馬という感じで、弱点が出ることのない競馬になったのも大きいが、この距離のこのペースで突き抜けたのだから、この距離がベストだとみるのが良いでしょうね。桜花賞よりパフォーマンスを大きく上げてきているし、やっぱり極端なキレ勝負向きではなく、平均的な競馬向きの馬だったんだと思います。シンザン記念の競馬もそうだけど、ばてないんだよね、勝負所が過ぎて、L1で踏ん張りあいになる所で突き抜けちゃう。これは本当にすごい能力。牡馬と渡り合えるかどうかは楽しみなところではある。ただ、やっぱりまだ緩んでピュッと加速できるかどうかは分からないので、この辺りは依然として課題としては残ると思うんだけど、秋華賞は平均ペースになりやすいし、良いんじゃないかな。ただ、岩田のやらかしたことは別にして、今日の展開なら岩田でも結果は同じ圧勝だったと思います。展開が良かった。緩まない競馬なら本当に凄い持続力がありますね。ここまで千切るとはと思ったけど、ヴィルシーナとの比較を考えれば妥当なところだったかなと思います。

 

 2着ヴィルシーナはまずまずのスタートからダッシュ良く先行集団に絡んでいく。そこから、少しペースが早いとみたか、下げて好位集団に吸収される形。2角過ぎで少し内田の手が動いて少し不穏なムードだったが、そこからはまたしっかり追走できていた。3角で内目、必死に手が動いて追走。4角でも鞭が入っていて中団ぐらいまで下がって直線。序盤で馬群の中を割ってじりじりと伸びてくるが、L2でジェンティルドンナに並ぶ間もなく交わされる。L1でもしぶとくジリジリとは伸びて2着争いは制したが完敗の2着。距離延長がプラスに見られていたけど、実際プラスだと思います。今回はよどみない平均ペースになって、長距離的なスタミナが必要になったわけだけど、そういう競馬が合わなかったんだと思います。それでも2着なので、この馬も相当の実力を持ってますね。少なくとも器用さではジェンティルドンナより上なので、レース条件次第で逆転も可能な範囲だと思います。今回脚色で見劣ったのは、道中追走に苦労していた分、脚を使わされた割に、後半緩んだところでポジションを上げられなかったのが痛かったかなと。直線ではジェンティルとそんなに差が無い位置だったし。それと緩んでピュッと反応して加速するのが売りなんだけど、今回は緩まなかったのも痛かった。平均ペースだとパフォーマンスを下げてくるのかなという印象ですね。むしろ次走狙いたいのはこちら。

 

 3着アイスフォーリスは好スタートからすっと下げて好位の内で様子を見る形。1~2角で更に下げて中団の内。抑えるような形で脚を溜めていた。3角で最内を追走、追われての反応も微妙で、4角で仕掛けられて中目に持ち出して好位、3~4馬身ほどの差で直線。序盤でかなり際どいところを突いて鋭く伸びてくるが、L2でジェンティルドンナに千切られる。L1で更にヴィルシーナにも離されるが、思った以上に粘っての3着となった。直線序盤で脚色良かったので覚醒したのかと思ったけど、実はコーナーから直線入りで緩んでいたので速い脚を使えているように見えただけのような気がしますね。見た目に惑わされないで分析すると、12.2 - 12.1 - 11.8 - 11.8の序盤で良い脚を使って最後ジリジリ。ジェンティルドンナやヴィルシーナと比較すると分かりにくいけど、4着のアイムユアーズや5着のサンキューアスクと比べると、やっぱり持続力で頑張ったんだなという印象ですね。キレ負けしたけど、緩んだところで押し上げたのと、直線序盤のコース取り(かなり際どかった)が良く、そこから加速して内ラチ沿いを取れたのは良かったと思います。松岡の好騎乗も大きかったですが、こういった平均ペースの持久戦になると怖いですね。上位の顔ぶれを見てもかなり頑張っていると思います。ただ緩いペースが基本の牝馬限定戦なので、展開面でこういう後押しがないと自己条件でも楽に勝ちきれるかどうかは微妙だと思いますね。

 

 4着アイムユアーズは好スタートから先行争いに加わって、マイネエポナの直後でしばらく進める。1~2角でそこから1つ下げて好位の内ポケットと絶好位を確保。道中も意外にもしっかりと折り合えていて、道中の緩みにもしっかりとスペースを空けて対応。3角で一つ外に出して内目追走、4角で中目から外目に出して直線。5番手3馬身差ほどで直線。序盤で外からしっかり伸びを見せる。L2で一旦は先頭に立ったが一瞬にして外の2頭に抜け出される。L1でジリジリ粘ってアイスフォーリスとの激しい3着争いを繰り広げたが及ばずの4着となった。距離不安説はあったけど、スピードが問われて緩まなかった分、折り合いで困ることはなかったし、ウィリアムズもうまく制御していた印象ですね。この馬の距離不安は実質的な距離不安というよりも、スローペースになって折り合えるかどうかといったところだったので、その辺りが割と踏ん張れた要因だったかなと。上手く乗られたアイスフォーリスに対して、勝ちに行く競馬をしてのものではあったのでこんなもんかな。ファルブラヴ産駒でやっぱりこの距離に不安はあるけど、少なくともこれまでのような馬と一緒にしてはいけないかなと思いますね。今後も要注意。2000ぐらいまでなら何とかなる気もする。

 

 5着サンキューアスクは出負けして後方から一気に最内に持っていって離れた後方で競馬。向こう正面で最内からじわっと押し上げて中団には取り付いて3角。3角で最内、4角でも最内を追走し、中団やや後方までコーナーワークで押し上げて直線。序盤で馬群の中を追走、しっかり伸びて好位集団まで来るのだが、L2でやや脚色鈍るとL1もなだれ込むだけの内容で5着となった。まあ、ハイペースに惑わされずに緩んだところで最内押し上げてコーナーワークで差を詰めて直線向けたし、展開の影響が大きいですね。最後は伸び負けしているし、評価できませんね。

 

 7着ハナズゴールは五分のスタートから無理せず後方集団で競馬を進めていく。道中もぎりぎりで折り合えているが、出すところなく馬群の中で3角。3角で集団から下げて中目を追走し、4角出口で大外に回して最後方ぐらいで直線。序盤で大外から鋭く伸びてくるが、L2でジェンティルドンナに脚色で負けると、L1では完全に伸びを欠いて完敗の7着。ああ~...まあ恥ずかしくない競馬はしてくれたけど、個人的には3角で進路がなくなって下げた時点で終了だったかな。緩いところでポジションを下げざるを得ない競馬になったし、そこから大外回して勝ちきれるほどの持続力はなかったということでしょうね。ただ一瞬は夢を見るほどの切れ味を見せて、直線序盤まではジェンティルドンナに匹敵する脚を使えていた。やはり実力はあると思いますね。今回は距離がどうこうよりも、平均ペースで脚を使わされてしまったということの方が大きい気がしますね。この馬も位置取りは違えど、緩んで加速してトップスピードに乗っていく競馬がベストだと思うので、今回のように序盤からペースが上がってしまうと苦しかったと思います。展開面で恵まれなかったなあ...。例年のオークスとは常軌を逸した競馬になってしまって辛かった。緩んだら2400mでもとは今でも思うんだけど。折り合いの加減もあるしね。強いとは思うけど、まだ真価は測れないかな。ん~残念。

 

 13着ミッドサマーフェアはまずまずのスタートから中団ぐらいで競馬を進める。2角過ぎで少し力んでいるような感じになったがすぐに折り合った。3角で中目からじわっと押し上げに行き、4角で大外に持ち出して中団で直線。序盤で追われるのだが、ここで既に脚色が怪しく、L2でジェンティルドンナやハナズゴールに抜かれるともう抵抗できなかった。大惨敗の13着。ちょっと敗因が良くわからないです。距離かな。多少力んでいたようには見えたけど、折り合い自体はそこまででもなかった。直線外を回して1番人気の競馬をしてはいたんだけど、序盤で既に脚が無いということを考えるとちょっと考えられないぐらいの負け方。解せないけど、距離が長かったとしか言いようがないのかな。4~5着で負けたとかならわからなくはないけど、直線序盤からもう脚が無いとかだと。ペースも平均ペースではあったし、確実にばてているので。


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